長女の遊び4 大人を巻き込む

独身の頃はもちろん、結婚してからも、ふたりでよく遊びに出掛けていた。
でもさすがに私が出産した後は、一緒に出掛ける機会がめっきり減ってしまった。


気軽に外に出られなくなったかわりに、ユキちゃんが家に来てくれるようになった。

女同士の楽しみといえば、やはりなんといっても「お喋り」である。
映画館にも行きたいし買物だってしたい、でもやっぱり友達と会う一番の目的は「喋りたい」なのだ。
お茶を飲みながらお互いの近況を聞き、悩みを聞き、時には真面目に、時にはくだらない妄想話を延々と・・。
「お昼ご飯作って待ってるからさ、お腹空かせてきてよ」
「サンキュー。楽しみだな~。話したいことがいっぱいたまってるんだ~

「私も色々たまってるよ~。あ、でも・・」

会話を聞いていたユイが、早くもウキウキしはじめている。
家にお客さんが来るのが嬉しくて仕方ないのだ。

「私とユキちゃんでず~っと喋るのは多分ムリだと思う。邪魔が入るから・・・(笑)」
「邪魔ってユイちゃんのこと?」
「そう。家に誰か来ると嬉しくてテンション上がるし、かまって欲しいからまとわりついてくるの。だから外で会ってる時みたいに、ふたりでゆっくり喋るのはムリだと思う・・」
「そんなの別に気にしなくていいよ。私もユイちゃんと遊びたいしさ」
「本当?ユイは今、おままごとにハマってるから、ユキちゃんず~っと相手させられると思うよ・・」
「お母さんごっことか、お店屋さんごっことかでしょう?全然OK!むしろユイちゃんと遊ぶの楽しみだよ~」


電話してる間ユイが私にまとわりついてきたことに、もちろん気付いていた。
ユキちゃんが遊びに来るということがわかって、わくわくして近づいてきたのだろうと思っていた。
でも本当は、電話を代わって欲しかったのだった。
ユイは「私に近づいてきた」のではなく、自分もユキちゃんと喋ろうと思って「電話に近づいてきた」のだ。
なのに私が電話を切ってしまったから、怒っているのだ。







・・だからごめんてば。
後日、約束通りユキちゃんがやって来た。

「おいも?」


玄関入ってわずか1分でおいもに変身。
きっとユキちゃんは心の中で叫んでいたに違いない。
「思ってたのと違う!!」 と・・。

ユキちゃん・・ごめん。

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